要因
結論から申し上げますと、コードの量(テキストとしての文字数)も影響しますが、それ以上に「リソース(画像・音声・動画)」や「ライブラリ(外部機能)」の存在がサイズを決定づける大きな要因になります。
プログラムのサイズがどのように決まるのか、主な要素を分解して解説します。
1. コードの量(ソースコード)
プログラムの「命令」そのものです。
- テキストデータとしての側面: プログラミング言語で書かれたコード自体はただのテキストなので、非常に軽量です。数万行書いても、数メガバイト(MB)に収まることがほとんどです。
- コンパイル後の実行ファイル: コンピュータが理解できる形式(バイナリ)に変換される際、最適化によってさらに凝縮されることもあります。
2. リソースファイル(画像・音・動画)
現代のアプリケーションにおいて、サイズを肥大化させる最大の原因です。
- 画像・UI: 高画質なアイコン、背景画像、3Dモデルのテクスチャ。
- 音声・動画: BGM、効果音、デモムービーなど。
- フォント: 日本語などの文字数が多いフォントファイルを同梱すると、それだけで数MB〜数十MB消費します。
3. 外部ライブラリとフレームワーク
自分ですべてを書くのではなく、便利な「道具セット」を借りてくる場合です。
- 静的リンク: 必要な機能をアプリの中に取り込んでしまうため、アプリのサイズが大きくなります。
- フレームワーク: 例えば、スマホアプリを作るための「Unity」や「Flutter」といった枠組み自体が、一定の「基本重量」としてサイズに乗ってきます。
4. 実行環境(ランタイム)
一部のアプリは、動かすために必要な「エンジン」を丸ごと内蔵しています。
- Web技術を使ったアプリ: SlackやDiscordなどのデスクトップアプリは、内部にWebブラウザ(Chromiumなど)に近い仕組みを丸ごと持っているため、コードが短くてもサイズが大きくなる傾向があります。
サイズが決まる仕組み(イメージ図)
| 要素 | サイズへの影響度 | 内容 |
| ソースコード | 低〜中 | プログラムの命令文(ロジック) |
| 外部ライブラリ | 中〜高 | 決済機能、グラフィック処理などの共通部品 |
| リソース | 極めて高い | 写真、4K動画、BGM、3Dデータ |
| メタデータ | 低 | アイコン、バージョン情報、証明書 |
まとめ
「10万行のコードを書いたアプリ」よりも、「100行のコードと1枚の高画質な写真を入れたアプリ」の方がサイズが大きくなることはよくあります。
もし、特定のアプリのサイズを小さくしたい(軽量化したい)とお考えであれば、**コードを削るよりも「画像の圧縮」や「使っていないライブラリの削除」**の方が劇的な効果が得られます。
ついでに聞いてみた
クロスプラットフォームにするための Electron という言語?がありますが。
あれはブラウザに機能を付加して動かすため使用中のメモリがどんどん増えるらしいですが、アプリのサイズ自体はそんなに重くはないのですか?
鋭いご指摘ですね!Electron(エレクトロン)について、結論から言うと、アプリのサイズ(ディスク容量)もかなり重い部類に入ります。
「メモリを食う(動作が重い)」だけでなく、「容量もデカい」のがElectronの特徴と言えます。いくつか誤解を解きながら、その理由を紐解いていきましょう。
1. Electronは「言語」ではなく「枠組み(フレームワーク)」
まず小さな訂正ですが、Electron自体はプログラミング言語ではありません。JavaScript、HTML、CSS というWebの技術を使って、デスクトップアプリを作るための「土台(フレームワーク)」です。
2. なぜアプリのサイズが重くなるのか?
Electronアプリのサイズが大きくなる最大の理由は、**「ブラウザ(Chromium)と実行環境(Node.js)を丸ごとパッケージングしているから」**です。
- 自分専用のブラウザを内蔵: Electronで作られたアプリ(Slack, Discord, VS Codeなど)は、それぞれが自分の中に「Google Chromeの心臓部(Chromium)」を抱えています。
- 「Hello World」だけでも重い: たとえ「こんにちは」と表示するだけの超シンプルなプログラムでも、ブラウザエンジンを同梱するため、書き出されたアプリのサイズはいきなり100MB〜150MB程度になります。
イメージ: 普通のアプリが「手紙(コード)」だけを送るのに対し、Electronは「手紙を読み上げるための専用のロボット(ブラウザ)」をセットにして送るようなものです。
3. メモリ(RAM)がどんどん増える理由
ユーザーが懸念されている「メモリ消費」についても、理由は同じです。
- ブラウザを動かしているのと同じ: アプリを起動するたびに、裏では「Chromeのタブを一つ新しく開く」のと同等のメモリ消費が発生します。
- プロセスの分離: Electronは安定性のために、画面を描画するプロセスと、ファイルを操作するプロセスなどを分けて管理します。これが積み重なって、メモリをどんどん消費していく要因になります。
4. なぜ「重い」のに使われるのか?
サイズもメモリも重いのになぜ主流なのか、そこには開発者側の大きなメリットがあります。
- 一度書けばどこでも動く: Windows用、Mac用、Linux用と別々に作る必要がありません。
- 開発速度が圧倒的に早い: Webエンジニアがそのままアプリを作れるため、コストが抑えられます。
- OSの壁を超えやすい: 本来、WindowsとMacでは窓の出し方一つとっても命令が違いますが、Electronがその違いをすべて吸収してくれます。
まとめ:ネイティブアプリとの比較
| 項目 | ネイティブアプリ (C++, Swift等) | Electronアプリ |
| アプリのサイズ | 非常に軽い(数MB〜) | 重い(100MB〜) |
| メモリ消費 | 効率的で少ない | 多い(ブラウザ分を消費) |
| 開発のしやすさ | 専門知識が必要で時間がかかる | Web技術でサクサク作れる |
「PCのスペックが上がったから、少しくらい重くても開発の効率を優先しよう」という現代的な考え方の産物とも言えますね。
もし、こうした「重さ」が気になる場合、最近では Tauri(タウリ) という「OS標準のブラウザ機能を利用することで、アプリサイズを劇的に小さくする(数MBに抑える)」新しい技術も注目されています。
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