1件ずつの注文(発生日)ごとに仕訳を入力するのは、数が多いと現実的ではありません。多くの個人開発者や法人は、**「月末に1ヶ月分をまとめて計上する」**という方法をとっています。
ただし、会計上の原則(発生主義)に照らすと、少しだけ注意点があります。実務でよく使われるスムーズな仕訳の流れを整理しました。
1. 「発生日」での仕訳はどう考えるべき?
結論から言うと、「日ごとの発生日」で入力する必要はありませんが、「月ごとの合計額」を売上として計上するのが一般的です。
Google PlayもApp Storeも、毎月1回「確定レポート」が出ます。その確定した金額を、その月の**「月末」の日付**で仕訳します。
なぜ「入金日」だけではダメなのか?
日本の税務(青色申告など)では「発生主義」が原則です。「お金が入った日」ではなく「サービスを提供して売上権利が確定した月」に売上を立てる必要があります。
- 1月の売上: 1月末の日付で売上計上(仕訳1)
- 2月の入金: 入金された日付で消し込み(仕訳2)
このように、入金月と売上月がズレるため、2ステップで記帳するのが最も正確で、税務調査などでも説明がしやすくなります。
2. Google Play売上の標準的な仕訳例
Google Playの場合、手数料が引かれる前の「グロス(総額)」で売上を立て、手数料を別途費用として計上するのが正しい処理です。
① 月末(売上の確定時)
レポートから1ヶ月の総売上と手数料を合算して入力します。
- 総売上(ユーザーが支払った額): 100,000円
- Google手数料(15%の場合): 15,000円
| 借方勘定科目 | 金額 | 貸方勘定科目 | 金額 |
| 売掛金 | 85,000円 | 売上高 | 100,000円 |
| 支払手数料 | 15,000円 |
POINT: 差し引き後の「85,000円」だけを売上として記帳する「純額表示」という方法もありますが、消費税の課税事業者になる可能性がある場合は、上記の「総額表示」が推奨されます。
② 翌月(入金時)
実際に銀行口座にお金が振り込まれた時の仕訳です。
| 借方勘定科目 | 金額 | 貸方勘定科目 | 金額 |
| 普通預金 | 85,000円 | 売掛金 | 85,000円 |
3. App Store (Apple) との違いで気を付けること
AppleのデータとGoogleのデータを突き合わせる際、以下の点に注意してください。
- 振込サイクル: * Google: 毎月15日〜20日頃に、先月分が比較的きっちり振り込まれます。
- Apple: 独自の「会計カレンダー」に基づいているため、月末締めではなく、月によって数日ズレることがあります。
- 外貨の扱い: * 海外ユーザーからの売上が多い場合、Googleは日本円で確定させて振り込んでくれますが、Appleは「ドル建て」などでレポートが出る場合があり、その際の換算レート(TTM)の適用に注意が必要です。
結論:エンジニアらしい効率的なやり方
- 月次集計: 毎月1回、Play ConsoleからCSVをダウンロード。
- 一括処理: CSVの「Charge(売上)」と「Fee(手数料)」をSUMして、月末の日付で1行だけ仕訳を入れる。
- 自動化: もし件数やアプリ数が増えてきたら、前述のGoogle Cloud Storage連携を使って、CSVを自動でスプレッドシートに集計させる仕組みを作ると非常に楽になります。
「発生日(注文日)」ごとに律儀に入力せず、「月ごとの確定レポート」を正解として、月末付で仕訳するのが、事務作業を最小限にする賢い方法と言えそうです。
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