動画作成の推奨設定
動画作成(編集・動画ファイルへの書き出し)において、YouTubeが公式に推奨している、またはクリエイター間で最適とされる設定のまとめです。
YouTubeはアップロード後に必ず自動再エンコード(再圧縮)処理を行なうため、編集ソフトからの書き出し(エクスポート)時に高品位なマスターデータを作成しておくことが画質劣化を防ぐ鍵となります。
1. 動画書き出し(エクスポート)の基本推奨設定
| 項目 | 推奨設定 | 補足・ポイント |
| ファイル形式(コンテナ) | MP4 (.mp4) または MOV (.mov) | MP4が最も汎用的で処理速度が安定しています。 |
| 映像コーデック | H.264 または HEVC (H.265) / ProRes | 迷ったら H.264 (High Profile) が標準的です。最高画質を保ちたい場合はProResやDNxHR等で書き出す方法もあります。 |
| アスペクト比 | 16:9(横動画) / 9:16(Shorts動画) | フルHDは 1920x1080、Shortsは 1080x1920 です。 |
| フレームレート | 元素材のフレームレート(例: 24, 30, 60 fps) | 撮影した素材と同じフレームレートを維持します。 |
| カラースペース | Rec.709 | 色揺れ・色化けを防ぐため、SDR動画では標準的なRec.709(Standard)に固定します。 |
| レート制御 | VBR, 2パス または VBR, 1パス | 配信とは異なり、動画ファイルでは**VBR(可変ビットレート)**が推奨されます。 |
2. 解像度・フレームレート別 推奨ビットレート(書き出し時)
YouTube公式推奨値をベースに、再エンコード時の画質劣化を見越した「クリエイター推奨値」を括弧内に記載しています。
① 通常の動画(SDR)
| 解像度 | 24 / 25 / 30 fps | 48 / 50 / 60 fps |
| 1080p (Full HD) | 8 Mbps (推奨: 10~15 Mbps) | 12 Mbps (推奨: 15~20 Mbps) |
| 1440p (2K) | 16 Mbps (推奨: 20~30 Mbps) | 24 Mbps (推奨: 30~45 Mbps) |
| 2160p (4K) | 35 – 45 Mbps (推奨: 45~60 Mbps) | 53 – 68 Mbps (推奨: 68~80 Mbps) |
💡 高画質化の裏ワザ(VP09 / AV01 コーデックの付与)
YouTubeでは、1080pで動画をアップロードすると「avc1」という圧縮率の高い低画質コーデックで処理されることがあります。しかし、1440p(2K)以上にアップスケーリングして書き出して投稿すると、YouTube側で「VP09」または「AV01」という高画質用コーデックが優先割り当てされるため、1080pディスプレイで見てもより精細に表示されます。
3. 音声(オーディオ)設定
- 音声コーデック: AAC-LC
- サンプルレート: 48 kHz (または 44.1 kHz)
- ビットレート:
- ステレオ: 384 kbps(公式推奨の最小上限値:320kbps以上)
- 5.1サラウンド: 512 kbps
4. YouTube Shorts(縦型ショート動画)の設定ポイント
YouTube Shorts用の動画を作成する場合は、以下の設定が標準です。
- 解像度: 1080 × 1920(アスペクト比 9:16)
- 長さ: 3分以内(再生完了率を高めるため15〜30秒前後が最も効果的とされています)
- ビットレート: 10 ~ 15 Mbps(H.264)
- UIセーフゾーンへの配慮:右側の「高評価・コメントボタン」や下部の「タイトル・説明文」とテロップが被らないよう、画面上下・右側の端から少し余白(中央の
1080×1400ピクセル内)を空けてテロップ・重要要素を配置するのがおすすめです。
5. 編集ソフト別のおすすめプリセット
- Adobe Premiere Pro:
書き出し画面の形式でH.264を選択し、プリセットからYouTube 1080p フルHDやYouTube 2160p 4K Ultra HDをベースに調整するのが最も確実です。 - Final Cut Pro / DaVinci Resolve:
エクスポートプリセットにある「YouTube(またはWeb用)」を選択するか、H.264 / Master (ProRes) で上記ビットレートを設定します。
ライブ配信のエンコーダ、解像度、ビットレート
2026年現在の、YouTube公式ガイドラインおよび配信現場(OBS Studioなど)で推奨されているライブ配信時のエンコーダ、解像度、ビットレートの設定は以下の通りです。
YouTubeでは従来のH.264に加え、高効率な次世代コーデックであるAV1やHEVC (H.265) の対応が進んでおり、配信環境に合わせて選択できるようになっています。
1. 解像度・フレームレート別の推奨ビットレート(SDR)
① 伝統的な「H.264」エンコーダを使用する場合
一般的なPCや配信ソフトのデフォルト設定です。安定した画質を出すためには、以下のビットレートを目安にします。
| 解像度・フレームレート | 推奨ビットレート (CBR) | 最小ビットレート |
| 2160p (4K) / 60fps | 53 – 68 Mbps | 35 Mbps |
| 2160p (4K) / 30fps | 35 – 45 Mbps | 20 Mbps |
| 1440p (2K) / 60fps | 24 Mbps | 16 Mbps |
| 1440p (2K) / 30fps | 16 Mbps | 8 Mbps |
| 1080p (Full HD) / 60fps | 12 ~ 15 Mbps (公式推奨: 12Mbps) | 6 Mbps |
| 1080p (Full HD) / 30fps | 8 ~ 10 Mbps (公式推奨: 8Mbps) | 5 Mbps |
| 720p (HD) / 60fps | 7.5 Mbps | 4 Mbps |
| 720p (HD) / 30fps | 5 Mbps | 3 Mbps |
② 次世代コーデック「AV1 / HEVC」を使用する場合
NVIDIA RTX 40シリーズ以降、Intel Arc、AMD Radeon RX 7000シリーズなどのハードウェアエンコーダや対応環境では、AV1等を利用することでH.264よりも低いビットレートで同等以上の高画質配信が可能です。
- 1080p / 60fpsの推奨: 約 10 ~ 12 Mbps
- 1080p / 30fpsの推奨: 約 8 Mbps 前後
2. ライブエンコーダ(OBS Studioなど)の基本推奨設定
- レート制御: CBR(固定ビットレート)が最も安定するため推奨されます。
- キーフレーム間隔: 2秒(または「0」で自動設定)
- 音声コーデック: AAC-LC
- 音声ビットレート: 128 kbps ~ 320 kbps(ステレオの場合は192 kbpsあたりがバランスが良いとされています)
3. 2026年現在のトレンド・注意点
- 1440pや4Kの高解像度配信時の注意:OBSなどで1440p(2560×1440)や4Kの高解像度配信を行う場合、YouTube側の遅延設定で「超低遅延」を選択すると非対応のためカクつきや不安定の原因になります。「低遅延」または「通常の遅延」を選択してください。
- 回線速度とのバランス:配信に必要なアップロード帯域は、選んだビットレートのほか、回線の変動マージン(一般的に回線速度の75%程度を上限の目安にする)を考慮して決定するのが安全です。
1. 検証の目的
YouTubeでライブ配信のテストを行い、OBSの映像ビットレートを高く設定した際に発生する配信の切断・再接続について調査した。
配信を主な用途とするものではなく、ビットレートと通信環境の関係を把握するための実験的な検証である。
2. 配信環境
| 項目 | 設定・測定結果 |
|---|---|
| 配信サービス | YouTube Live |
| 配信ソフト | OBS Studio |
| 映像解像度 | 1920×1080(1080p) |
| フレームレート | 60fps |
| エンコーダ | NVIDIA NVENC(H.264) |
| レート制御 | CBR(固定ビットレート) |
| アップロード速度 | 約270Mbps(測定時) |
| 住居形態 | 一軒家 |
3. 発生した症状
OBSの映像ビットレートを変更し、動作を比較した。
- 50,000kbps(50Mbps): 配信は安定していた。
- 80,000kbps(80Mbps): 配信の切断と再接続が繰り返し発生した。
- OBSの統計情報: 80,000kbpsでテストした際、ネットワークによるドロップフレームの数値が増加した。
- OBSの接続状態表示: アンテナマークが赤くなるほど接続状態が悪化した。
4. 考えられる原因
アップロード速度の測定値は約270Mbpsであり、80Mbpsという配信ビットレートを上回っていた。
ただし、速度測定結果だけでは、YouTubeの配信サーバーまで安定してデータを送信できることは保証されない。
考えられる原因は次のとおり。
- 配信中の一時的な通信速度低下やパケットロス
- 配信サーバーまでの通信経路の不安定さ
- ルーター、LANケーブル、Wi-Fiなどのネットワーク機器・接続環境
- 回線や通信設備の混雑
- 配信先との接続に関する問題
ネットワークによるドロップフレームが増加していたことから、映像のエンコード処理そのものよりも、ネットワーク経由で映像データを送信する過程に問題が発生していた可能性が高い。ただし、原因を特定するにはOBSのログや配信先の状態など、追加の確認が必要である。
5. 一軒家とマンションの通信環境の違い
マンションでは、建物までの回線や共用設備を複数の住戸で共有する構成があり、時間帯や設備の方式によって通信速度や安定性が影響を受ける場合がある。
一方、一軒家でも地域の通信設備やプロバイダー、通信経路などの影響は受ける。
したがって、マンションだから必ず不安定になるわけではない。速度測定で同程度の数値が出ていても、配信中の通信安定性まで同じとは限らない。
6. 今後の設定に関する方針
今回の配信条件は1080p・60fps・H.264である。
一般的な1080p・60fps配信であれば、80,000kbpsという高いビットレートを使用する必要性は低い。まずはYouTube公式の最新の推奨値を基準にし、配信画質と通信の安定性を比較することが望ましい。
高ビットレートでテストを続ける場合は、50,000kbpsを基準に段階的に引き上げ、OBSのネットワークによるドロップフレームや配信先のステータスを確認する方法が考えられる。
7. 最終結論
今回の検証では、50,000kbpsでは安定していた一方、80,000kbpsでは配信の切断・再接続とネットワークによるドロップフレームの増加が確認された。
アップロード速度が約270Mbpsあっても、特定のビットレートで配信が不安定になることはあり得る。回線の公称速度や速度測定値だけでなく、実際の配信中に安定して送信できるかどうかが重要である。
配信を主目的としていないため、今回の実験はいったん終了する。今後配信を行う場合は、過度に高いビットレートを追求するよりも、画質と安定性のバランスを優先する。
ビットレート10,000と50,000ではわかるくらいの画質の差があったので出来るだけ上に設定したくなるが、いずれにしろ環境で差が出そうなので難しいところ。
テストで調整するしかなさげ。